「接触冷感タイプのアームカバーを付けたときに、なぜひんやりするんだろう?」
「ひんやり付け心地のいいアームカバーについて知りたい」
アームカバーを付けたときに、ひんやり感じると気分的にも涼しいですよね。
そこで、今回は以下のことを解説していきます。
- ひんやり感じる理由が接触冷感素材であること
- 接触冷感素材の具体例
- 接触冷感基準値Q-max
- 接触冷感素材の注意点3つ
この記事を最後まで読んでいただければ、アームカバーがなぜひんやりするのかということがわかりますので、アームカバーを選ぶときの参考にしてみてください。
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ひんやり効果は接触冷感素材が原因!
衣服や布団に使われている「ひんやり」感じる原因は、接触冷感といわれる素材です。
接触冷感素材とは、触るとひんやり感じる生地のことですが以下の3つが影響しています。
- 繊維中に水分を多く含んでいる
- 熱伝導率・熱拡散率が高い
- 触ったときに少し硬く感じる(シャリ感)
以上3つについて詳しく解説していきます。
繊維に水分を多く含んでいる
繊維がもつ吸湿性は、繊維の高分子化合物が「親水基」であることから水分を吸着させ吸湿することが簡単です。
繊維の内側と外側に湿度差ができたときに内側の水分を吸うことで外側に放出しようとした際に起こる気化熱の現象により、内側の温度が下がり涼しくひんやり感じます。
気化熱とは液体が気体に変化する現象のことで、夏場になると地面に打ち水をするのは、水が地面の熱を奪いながら気体に変化するので地面の温度が下がり涼しくなるのと同じです。
例えば、衣類によく使われるコットンは特に吸湿性が高いので、肌の熱を吸収してひんやり感じさせてくれます。
熱伝導率が高い
熱伝導率が高いというのは、熱を逃しやすいという性質を持っています。
例えば、鉄に触れるとひんやり感じるのは鉄の熱伝導率が高いため、手の体温が奪われてしまうからです。
熱は高温から低温へ移動し、熱伝導率が高いほど熱を素早く移動させることでひんやり感じます。
主な繊維の熱伝導率は以下の通りです。
空気 |
コットン |
麻 |
シルク |
ポリエステル |
ナイロン |
|
熱伝導率(W/m・k) |
0.0241 |
0.54 |
0.63 |
0.44 |
0.20 |
0.38 |
繊維は、糸の織り方などによっても通気性などが変わってくるので、熱伝導率だけで快適性を判断できませんが、夏に麻素材の衣服が多いのはひんやり効果を体感することができるからでしょう。
( 熱伝導率の割り出し方法 引用 : ボーケン https://www.boken.or.jp/find_tests/functionality/comfortability_heat/1229/ )
肌触りが少し硬く感じる
肌触りが少し硬く感じるのは、繊維の中に多くの水分を含んでいるためです。
肌に触れたときにひんやり感じることをシャリ感と言います。
肌にべとつきにくく快適な着心地であり、吸湿性と速乾性を持つ素材やコットンや麻など涼しさを感じる夏用の生地の清涼感を表現する言葉です。
コットンや麻にシャリ感が出せるのは、糸をねじり合わせた強度の高い強撚糸で作られているからで、繊維の強度が増すのに加えて、汗などに対する吸湿速乾性も良いので着たときにひんやり感じられます。
接触冷感の基準はQ-max
接触冷感を表す数値として「接触冷温感評価値 Q-max (W/㎤) 」があります。
肌から生地へ瞬間的に熱が移動する移動量を表すQ-maxは、数値が高いほど冷たいと評価でき、0.2W/㎠以上が冷たく感じる数値目安です。
Q-maxが高いとされている数値はコンクリートで0.6ですが、主な繊維のQ-maxは以下の通りになります。
コットン |
麻 |
シルク |
ポリエステル |
ナイロン |
|
Q-max ( W/㎠ ) |
0.30 |
0.35-0.4 |
0.30 |
0.3-0.35 |
0.3-0.35 |
Q-max値は、室温の+10℃ ( ΔT=10℃ )または+20℃ ( ΔT=20度 )に加熱した測定部を室温の試料に触れさせ、試料の熱吸収速度を測定するという方法で行われています。
(引用 : カケン https://www.kaken.or.jp/test/search/detail/5#ID1 )
接触冷感の具体的な素材
接触冷感の具体的な繊維はいくつかあり、衣類繊維でよく使われるものだと天然素材のコットン・麻、化学繊維ではポリエステル・ナイロン・レーヨンなどがあげられます。
化学繊維は、天然素材に比べると吸湿性は低いですが、その中でもナイロンは化学繊維の中では高い方です。
ただし、吸湿性が少ない繊維でも通気性があれば透湿作用はあるので、吸湿性と通気性を兼ねそろえた素材が着用時にひんやり感じる素材と言えるでしょう。
接触冷感素材の注意点3選
接触冷感素材の注意点は以下の3つがあげられます。
- 実際に冷たくなるわけではない
- 冷たさがずっと続くわけではない
- Q-maxの基準だけでは選ばないほうがいい
以上3点について詳しく解説していきます。
実際に冷たくなるわけではない
接触冷感とは、触れたときにひんやり感じるということをお伝えしてきました。
したがって、「衣類がずっと冷たく感じる」や「体温や衣類の温度が下がる」というようなものではありません。
衣類などに触れたときの一瞬に起こる「ひんやり」であることを覚えておきましょう。
冷たさがずっと続くわけではない
接触冷感でおこる「ひんやり」はずっと続きません。
アームカバーを付けるということは、肌とアームカバーは常に接触していることになるので、2つの温度差がなくなるため熱移動がなくなり、付けたときに起こるひんやりは感じなくなります。
Q-maxの基準だけで選ばないほうがいい
Q-maxが高くても、通気性がなければ肌と衣服の間が蒸れて快適でなくなるのでQ-maxの基準だけで選ばないほうがいいでしょう。
特に、アームカバーはずっと肌に触れているものなので注意が必要になります。
ポリエステルやナイロンなどの化学繊維は接触冷感素材として使われますが、天然素材に比べると吸湿性が低いです。
吸湿性と通気性を兼ねそろえた素材を選ぶことがポイントとなります。
まとめ
今回は以下のことについて解説しました。
- ひんやり感じる理由が接触冷感素材であること
- 接触冷感素材の具体例
- 接触冷感基準値Q-max
- 接触冷感素材の注意点3つ
夏の日焼け対策に欠かせないアームカバーも付け心地の良い商品を選びたいですよね。
UVカット加工も兼ねそろえたコットン・麻素材のアームカバーはぜひおすすめです!